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ごあいさつ

一般社団法人感性実装センターは、「感性研究」を「社会実装」させることを目的に設立されました。「感性実装」とは、「大学の研究者等による感性に関する研究を、企業による製品・サービスの開発に応用、すなわち社会実装につなげること」を意味します。

 

人は、外受容感覚情報(体性神経系)と、内受容感覚情報(自律神経系)により、無意識下に行われ誘発される高次脳機能を有します。つまり、外界から受けた刺激が起点となり、過去の脳内の経験や記憶と照らし合わせて、様々な現象や対象物の価値判断を行います。これが「感性」です。

「感性」というワードの定義は、その他いくつかの側面をもちますが、人の「感性」を理解し可視化された情報をもとに開発した製品・サービスは、人々の心を動かし意味あるものとして高く評価され、新たな価値や使用シーン、体験を創出します。ひいては新市場の獲得にもつながるのです。

 

当センターは、各メーカーでものづくりを牽引してきた実務研究者を中心に構成されています。したがって、企業の社会的課題及びイノベーションの次元に応じた、最適な研究者や専門家の選定提案、チーム編成からプロジェクトマネジメントまで、「感性」を基軸とした支援が一貫して行えることが大きな特徴です。これにより、自社製品・サービスの高付加価値化の手段として「感性実装」を目指す企業さまが気軽に相談され、適切なタイミング及び範囲を共に探索しながら、研究者の知見採用、感性評価実験、共同研究などを実現いただくことが可能となりました。

 

製品のコモディティ化や市場の不確実性が進む現在、戦略的に「感性実装」を目指す企業は、幅広い業種・業態に広がりを見せています。

「感性実装」には、価値創出を目指す対象物とターゲットの特性を見極めた感性モデルの可視化と、そのエビデンスを自社の開発に落とし込む行為、両者の技術と知見が必要です。それらの実現に貢献しているのが、当センターの運営母体である、色彩生活コーポレーション株式会社のリソースです。

当該法人は、2001年の設立以来、色彩の専門性を軸とし、企業、行政、シンクタンク等に対し、コンサルティング事業、及び産学官連携による研究実装活動を通して、社会に貢献してまいりました。

外界からの情報は、いわゆる五感覚といわれる各感覚受容器を通じて知覚しインプットされますが、とりわけ視覚情報は、感性価値の創出において影響度が高いことが示されています。その視覚情報の大半をつかさどる色彩に関する研究知見を、プロダクトイノベーションを主軸とした感性価値創出に最大限活用してきました。色彩の最適化は、あらゆる製品・サービスの感性評価に影響を及ぼす背景から、支援・マネジメントさせていただいている企業及びプロジェクトは幅広い事業分野に渡ります。よって、これまでの実績と蓄積知見が、企業さまにおける「感性実装」を目指す対象物の早期理解と、事業のプロデュースおよび実施能力につながっています。

当センターの設立に至り、内外に素晴らしい体制を整えることができましたのも、連携してきた多くの機関及び大学の皆さまの後押しのおかげと感謝いたしております。

 

「感性」に関する基礎研究を、製品・サービスの開発に実装させることは、企業側にとっては学術的なエビデンスが付加されることで価値が創出され、研究者側にとっては研究が社会に貢献できるというWIN・WINの関係を生み、わが国の産業及び学術界に寄与することにつながります。

当センター内外には、様々な領域の感性研究者が揃っており、皆さまの「感性実装」を力強く推進いたします。

これから、「感性実装」による製品・サービス開発を目指す企業さまとの新たな出会いを楽しみにしております。

 

一般社団法人感性実装センター

センター長 柏尾 浩一郎


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